電力事業はなぜ地域独占であるべきか?②
※電力事業はなぜ地域独占であるべきか?①の続きです。要旨は以下の通り
・地域独占は、安定供給の利点と高コスト構造の欠点の両面ある
・日本においては高度経済成長が終わった時点で地域独占の役割は終わった
・かといって、市場原理を導入すれば電気料金が下がるかというと、そう単純ではない
・さらに、市場原理に任せると不採算な地域への電力供給が維持できないリスクがある
電力事業はなぜ地域独占であるべきか?① - powerspot.hatenadiary
さて、①を書いている途中で以下のようなツイートが気になりました。
三大経済圏以外の都道府県に関しては「次の50年で残す地方都市」をどこにするか決めて、人口移動を促進すべき。そうしないと全都市が共倒れになる。たとえば北海道は、札幌は生き残れるけど、あとはどこ?を決めないと、どこも残れなくなる。(続)
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2017年12月25日
大都市側の問題については、エグイながらも答えが見えてるんですが、地方側の問題は(未だに人口をどう増やすか、みたいな夢みたいなことばっか言ってて)まったく本質的な解決策がとられていないので、このままではほんとにみんなで消滅しちゃうますよ。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2017年12月25日
このツイートを見て思ったのですが、もしかして電力自由化や各種インフラ事業の民営化って、採算が合わない地方のインフラを市場原理で縮小して、過疎地の村々を間伐しようとする意図があるのでは…?
日本は少子高齢化、人口は減少する一方。経済成長も期待できない
→地方の過疎地はインフラが維持できなくなるので、地方ごとに集約していかなければならない
→でも集約のために潰れる町や村を決めることは政治的には不可能
→インフラ事業を市場原理に任せることで、インフラ維持の採算が合わないところから潰していく??
これが過疎地を撤退させていくための本質的な解決策と言えるのか?(おそらくちきりんさんは市場原理に任せると共倒れするよ、といっているのでしょうが…)しかし政治的に取捨選択するのが難しいのならインフラから潰していくのは次善的な解決策と言えるのでは…
もしそういうことならば、我々インフラ事業者は、政治の代わりに「本質的な解決」を図る、すなわちインフラや都市機能の集約の旗振りをしなければならないのでしょうか。
我々は今まではとにかく発電所や送電線を増やして、どんなところへも電気をお届けすることを使命としてやってきたわけですが、ひょっとしたらこれからは考え方を180度変えていかなければならないのかもしれません。
最後に、再びツイートの引用ですが
足りない時代において満たすことが評価され、多すぎる時代においては選ぶことが評価される
— 為末 大 (@daijapan) 2018年1月6日
果たしてこれが電力業界にも当てはまるのかどうか…。